第二話 終わりなき生−其の参− (2003年11月16日)


集合場所はいつもの通りVesperの革屋の地下。
ここはシーフもたむろってはいるが、
もはや顔なじみである俺がいる以上、絶対に手は出してこない。

時刻は21時20分。
予定よりやや遅れたものの、全員がそろった。
「用意はいいか?」
俺がみんなに問い、皆がうなずく。
日頃ダンジョンに籠もらないStuartは、心なしかいつもよりも顔が青い。
Cryssも愛用の銀のツルハシを握る手が少し震えている。
何しろ目的の場所が目的の場所なのだ。
そんな中、
今回のパーティの兄貴的存在であるKASUMIはわざとかGate travelの詠唱を間違え、
みんなの緊張をほぐしているようだ。

KASUMI「Vas Rel Por」
何回目かの詠唱の後、青く輝くゲートが開いた。

飛び込むとそこは一面の白銀。
そして目の前にはその白さを飲み込む暗黒。
Deceitである。

KASUMI「明かりはいるやつはいないか?」

Cryss「大丈夫そうですね」

俺「じゃあ、行こうか」

愛用のAEgis、そして同期の戦士であるYASから譲り受けた銀のSemiterを握り、
先頭に立って迷宮に足を踏み入れた。

入ってすぐのところにはあまりモンスターはいない。
Skelton、Mummyといったモンスターがわずかにいるが、
俺たちはまっすぐ奥へと続く扉へと向かった。

この扉には鍵がかかっていた記憶があるが、
この日は俺が蹴飛ばすと簡単に開いた。
いつもなら扉の向こうにはSkelton、Zonbie、Wraithなどがひしめいているのだが・・・

いない。
いや、いることはいる。
が、既に何者かによって倒された後のようである。

俺「おかしい・・日頃ほとんど冒険者など見ないんだがな・・・」

KASUMI「うむ・・」

Cryss「いえ、きっとこの奥からですよ〜」

Stuart「ひえぇぇ・・・」

俺「すると・・・俺が下見役か。。」

KASUMI「うむW」

問答無用。こういう時の戦士ほど弱いものはない。
物音一つ聞こえない地下2階に、おそるおそる足を踏み入れたのだが・・

・・・いない。

・・・・いない。。。


全くいない。


Deceitは実は俺がまだ駆け出しだった頃に来たことがある。
そのとき、このあたりには床が見えないほどのSkeltal Knight、Bone Magiらがいて、
剣術も魔法に対する抵抗力もない俺は死にかけたことがある。
たまたま通りかかったGolem使いによってそのときは一命を取り留めたのだが・・

疑問はその後すぐに解けた。

地下三階へと続く魔法陣の手前で、
Energy Vortexを出しながら狩りをしている若者が二人いたのだ。

Stuart「・・・乱戦ですねぇー」

KASUMI「こんなところで狩りかよ?」

俺「剣術を鍛えているんじゃないのかな?先に進もうぜ」

そう、骨騎士や骨メイジを狩っても、手間の割に大した儲けはない。
彼らはあくまで、上位Undeadの手足に過ぎず、
倒しても倒しても起きあがって襲いかかってくる。
数が数なため、俺は少々の被害は覚悟していたのだが、
彼らのおかげで、俺たちは地下1階地下2階を悠々と通過することが出来たのだ。

安全であることは喜ばしい。
しかし、この段階で俺たちの緊張感がゆるんでいたのは事実だ。












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