第四話 煌めきの、影−其の伍− (2003年12月12日)


ここが今回の冒険での、いわば目的地。
俺たちを待つ者はもちろん、Barlonだ。

先の戦いで俺たちは成長しているはず。
今度はBarlon相手といえども、引けは取らないはずだ。

ここは完全な密室であり、中心の魔法陣から次々とBarlonが召喚される。
ここから脱出するには、部屋の両脇にある魔法陣に入る他はない。

部屋にはいるとすぐに俺はEnemy of one、CryssはCurse Weaponをかける。
加えて白Potionを飲み、体力を上げる。
こうすれば仮に打撃と魔法の連続攻撃を食らっても、即死はしない。

戦闘を駆ける俺はBarlonに、愛用のHalberdの一撃をたたき込む。
俺の後ろからCryssが、そしてHansenが続く。
カウンターでBarlonの拳をもろにくらい、ふらつきながら退く俺にEnergy Boltの追撃が来るが、
一瞬の後にKASUMIとStuartのヒールが来る。
ナイスタイミングだ。

Barlonは猪突猛進とでもいわんばかりに、俺に向かってくる。
さすがに相手が相手だけに、俺のHalberdを握る手も汗ばむ。

俺が守勢に回っている分、CryssとHansenは自由に攻撃している。
一撃を加えると即座にカウンターを入れてくるため油断は出来ないが、
一人がBarlonを引き付けている間はBarlonにも比較的隙ができる。

愛用のツルハシを握りしめ、必殺のDouble Strikeを叩きつけるCryss。
彼女のツルハシにはLightningの呪法がかかっているため、
上手くすれば打撃2発・Lightning2発という恐ろしい連続攻撃になる。

Cryssの肩越しにはHansenが見える。
Hansenは俺やCryssのように、騎士道やNecromancyに精通しているわけではない。
しかしながら手製の愛用のHalberdの性能を熟知しており、
突撃のタイミングが素晴らしい。
息を沈め、死角から突進しては、目にも停まらぬ一撃を繰り出している。

Stuartは次から次へと沸いてくるImpをひたすら駆除している。
だが目は常にCryss達の方を向き、危ないと見るとすかさずヒールを入れている。
さすがに目障りなのか、ときにBarlonに睨まれるようだが、
そこはHiding GMの強みだ。物陰に隠れ攻撃を避けている。

そういう俺は逃げるのが手一杯だったりする。
何しろHalberdは一撃の威力こそ大きいが、反対に盾を持つことが出来ない。
俺の革鎧は物理攻撃に対する耐性がそこまで強くはない。
KASUMIの厚いヒールがあってかろうじて立っていられるが、
とてもじゃないが、足を止めて打ち合うことなんてできない。
隙を付いて、Concussion Blowをたたき込み、そして直ぐさま距離を取る。
格好悪かろうと他に手段がない。

俺の身を案じて、KASUMIが後を付けてくれている。
呪文書を片手に、Greater Healの呪文をPre Castしている。
KASUMIの呪文による回復量は、Barlonの一撃の威力を相殺できるだけの力を持っているのだ。
こいつに命を預けておけば、まず死ぬことはない。

CryssがとどめのDouble Strikeをたたき込み、最初のBarlonを倒した。
すぐさま次のBarlonが魔法陣から召喚される。

雄叫びを上げてHansenがHalberdをたたき込むが、
反撃の一撃、そしてPoisonの魔法を入れ、毒に苦しむHansenにもう一撃を見舞う。
Hansenの身体は宙を舞い、沈黙した。
すぐさまStuartが駆け寄る。

俺とCryssはBarlonの標的をStuartから移そうと背から攻撃を加える。
KASUMIはFireFieldで焼きだす。
隙だらけのBarlonにHalberdの一撃をお見舞いしようとしたとき、
Barlonと目が合った。

瞬間、ヤツの大きい拳が眼前に見え、
そして、暗くなった。


息を吹き返したのはStuartの蘇生呪文によってだ。
俺が辺りを見回すと既にHansenも戦線に復帰している。
俺も急いで散乱した荷物をかき集めると、Halberdを握り直し、Barlonに向かう。
Potionを奪われたようだが、気にしてはいられない。

だがこの瞬間、今度は時が止まった。
どうやって死んだのか分からないが、とにかく時が動き出したときには、足下に俺の死体があった。

ここからが我慢の時間だった。

とにかく5人が5人、満足で立っていられない。
誰かが戦線に戻ると、その間に誰かがやられる、といったことの繰り返しだった。
一番元気なCryssが何とかBarlonの注意を引き、
その間にStuartが死んでいる俺たちを蘇生していったが、
装備を取り戻す前に今度はImpに攻撃され、再び命を落とすということもあった。

これでは埒があかない。
何度目になるか分からないが、Hansenの治療で息を吹き返した俺は、
一時撤退の指示を出し、魔法陣をくぐって外に出た。

だがこれが失策だった。
指示が聞こえていたのはKASUMIのみ、しかもKASUMIは幽霊姿だ。
これでは中に残っている仲間が危ない。

Stuart:「何分持たせればいい!?」
Vai:「出来るだけ長く!もう、生きていてくれればそれでいい」

もう、何ともフォローのしようがない俺の返事。

KASUMI:「くっそー」
Vai:「急ごう」

魔法陣をくぐると最初の階にまで戻されたようだった。
とにかく急ぐしかない。

大急ぎで回廊を走り、トラップを突破し、戦場へ舞い戻ると、
まだ剣戟の音が聞こえる。
見ると、Hansenが攻撃を受け止め、そしてCryssが多彩な攻撃でBarlonを翻弄している。
鎧を奪われたHansenの表情は怒りに満ち、「よろいをかえせーー」と叫んでいる。

あともう一押しだ。俺もすぐ攻撃に加わった。

とにかく時間がかかったが、何とかこのBarlonを切り伏せることができた。
それぞれが奪われたPotion、秘薬、鎧などを奪い返す。

5人が満足な状態で立っていられれば、もはやBarlonもそこまで恐ろしくはない。
それぞれが、今誰が狙われているかを把握する。
必要に応じて攻撃・回復・補助の手段を取る。
手が空いている者は攻撃を加える。
ここにきて、上手く前衛と後衛が機能し始めたように思った。

この後は特に危ない場面もなく、数体のBarlonを倒すことが出来た。
Stuartの秘薬切れを機に、俺たちはHavenへと撤退した。

あらかじめ自宅に宴会の用意をしていたKASUMI。
この後俺たちはKASUMIの家の2階で、互いの労をねぎらい、そして美酒で心地よい酔いを味わった。


正直な話、最初の目標であった「ダンジョンWispにある魔法陣を探る」ということが、
どれだけ果たせたかは分からない。
何しろ魔法陣から呼び出されるBarlonのために、
悠長に魔法陣を探ることができないのだ。

ただ、分かったこととして、

○地下1階が2カ所ある。片方にはWispが、もう片方には巨人族が棲む。
 巨人族の棲む階の奥には確かにBarlonが現れるが、これにはWispは関与しないだろう。

○地下2階には何故かUndeadとEvil Mageらが現れる。
 構造自体はWispの1F、特にWispが現れる方の作りに近い。
 黒いWispの存在・そして飛び散る血や白骨死体から、
 元々は地下1階のような美しいものであったのだが、何かしらの原因で「汚された」のでは。
 黒いWispと白いWispの関係も気になるところだ。

○地下3階については謎が尽きない。
 誰があのようなトラップを作ったのか。
 誰が魔法陣を作り、Barlonを呼び出したか。
 あるいはこのBarlonが、地下2階をあのようにならしめたのか。

そもそもイルシェナーには現在、ほとんど人が住んでいない。
地下一階に見られるような作りは、誰のためのものだったのだろう?

・・・というように、謎は何も解明されていない。
が、とりあえず、WispがBarlonを呼び出した、という可能性は低いのではないか?
と思われる。
このダンジョンの謎を解くためには、イルシェナーという地に纏わる謎を解く必要がある、
ということだけは確かなようだ。


戦利品:約15000gp、低級のマジック数点

合計死亡回数:Uncountable(個人的には4)








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